リポート

アメリカ海軍 航空母艦ジョージ・ワシントン(CVN73) 平成20年9月25日

去る9月25日木曜日、ついにアメリカ海軍横須賀基地に空母「ジョージ・ワシントン」が入港、配備された。

唯一の被爆国である日本に配慮して、今までは「インディペンデンス」「キティーホーク」といった通常動力空母を配備してきたアメリカ海軍であったが、通常動力空母が無くなった今日、ついに原子力動力の空母が配備された。

順調にいく「キティー」との交代は、5月22日「ジョージ」の艦内で発生した火災とそれにともなう修理によって今日まで大幅に遅れ、「ぼや」にもかかわらず艦長や幹部が更迭されるなど、不安と波紋が広がった。

当然地域住民や左翼団体からは反対の声とデモが上がったが、一方で緊迫するアジア情勢における我が国防衛から原子力空母やむをえず(またはウエルカム)の意見も多い。

複雑に絡み合う国内情勢の中、今後「ジョージ・ワシントン」はどのように展開していくのだろうか?

ジョージワシントンCVN73
アメリカ海軍空母(全て原子力動力)ニミッツ級空母6番艦(同型艦は10隻)他にエンタープライズが1隻あり、
アメリカは空母を11隻保有しているが、そのうち海外基地に配備されているのはこのジョージ・ワシントンのみ。
アメリカ海軍はさらにジェラルド・R・フォードなる新型空母を建造中で、こちらはさらに大型化し、ニミッツ級とは大きく異なる。
全長333M・全幅76.8M・排水量81.600t(満載104.200t)・機関ウェスティングハウスA4W原子炉2基
(燃料交換は25年に1回)/蒸気タービン4基・26万馬力・速力30ノット強・乗員3.200名(他に航空要員2.480名)
艦載機85機・就役1992年7月4日

報告:松永富夫

前夜の横須賀、夜景が幻想的
機動隊・私服SPなど基地周辺は厳戒態勢
9時過ぎジョージが姿を現す、
ジョージ周辺はSH-60が高低空で飛来、海上保安庁も周囲を警戒
隊員や家族も歓迎ムード
10:05ジョージ接岸
予想に反して艦載機は大目に搭載、マスコミむけだとか。各飛行隊のハイビジCO機も搭載された。
事前にヘリで乗艦したシーファー駐日大使らが下艦して挨拶、TV新聞報道各社のねらいはこちらのようで、米軍も1時間以上時間をさいて式典化していた。
12時過ぎようやく乗艦が許可された。格納庫はロイヤルメイセスのCO機のみ。このあと舷側エレベーターで飛行甲板に上がる予定が、左右2基とも不調のため急遽階段で4フロア上がって飛行甲板へ。カメラや望遠レンズといった重装備での階段はまさに「死の行軍」。いきなりのネイビー訓練となった。
飛行甲板、いつもはロープで厳しく制限されるが、この日報道陣にはフリーパス、甲板を1周して各機を充分撮できる時間が与えられた。
米軍はもちろん、自衛隊艦艇も満艦飾プラス星条旗でジョージを迎えた
米軍はもちろん、自衛隊艦艇も満艦飾プラス星条旗でジョージを迎えた
退役した南極砕氷艦「しらせ」もいた。